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サードウェーブ系哲学的ゾンビ

知る。考える。感じる。想像する。

私論:「失われた秋祭り」としてのハロウィン

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Matsuri

ハロウィンについて思いついたことがあったのでメモ。

時間が取れなかったので裏付けや考察が不足しています。あらかじめご了承ください。

仮説

この記事では、下記の仮説を立てて、それに対して大ざっぱな議論をしていきます。

「2010年代の日本におけるハロウィンの流行は、地方で伝統的に行われてきた秋祭りの、都市における代替である」

(ただし、この仮説の検証自体はしません。その土台となる「日本においてハロウィンが流行しつつある」というデータのみ出しておき、その後は私の想像上の話をします。なので、かなり大ざっぱな議論であることに注意してください。)

日本のハロウィンに関するデータ:Googleトレンドから

日本におけるハロウィンの流行についてデータを出しておきます。

簡易的なデータとして、Googleトレンド「人気度の動向」を使ってみます。これにより、「その時期にある地域(今回は日本)でどれだけ検索されたか」の目安が分かります。

人気度の動向

数値は、特定の地域と期間について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合はそのキーワードの人気度が半分であることを示します。同様に、数値が 0 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いときの 1% 未満であることを示します。

(引用元:Googleトレンドのヘルプ)

対象の検索キーワードについて

まず、ハロウィンの流行を知りたいので、キーワード「ハロウィン」を使います。

第2に、補助的にキーワード「仮装」も使います。これは、「ここ数年のハロウィンには仮装がつきものである」という素朴な仮定からです。

第3に、比較のためにキーワード「祭」も使います。これは、あとの考察で参考にするためと、「日本で秋と言えば伝統的に祭である」という素朴な仮定からです。

2004年1月1日〜現在(2016年10月31日)

f:id:sky-y:20161031225151j:plain

(出典: Google トレンド「ハロウィン, 祭, 仮装 - 日本、2004 - 現在」人気度の動向、筆者による注釈あり)

これはGoogleトレンドで取れる最古の日付(2004年1月1日)から現在(2016年10月31日)までの「人気度の動向」データです。

2010年1月1日〜2016年10月31日

次に、もう少し対象範囲を狭めてみましょう。

f:id:sky-y:20161031225203j:plain

(出典: Google トレンド「ハロウィン, 祭, 仮装 - 日本、2010/01/01~2016/10/31」人気度の動向、筆者による注釈あり)

(注意:2016年11月のデータは予測(執筆時点では存在しない点)です。)

こちらは2010年1月1日から現在(2016年10月31日)までの「人気度の動向」データです。

データからいえること

これらのグラフを見ると、

  • 赤「祭」
    • 毎年秋頃にピークが現れる
    • 各年のピーク値は年度にかかわらず一定である
  • 青「ハロウィン」
    • 毎年秋頃にピークが現れる
    • 2010年秋頃から、秋頃のピーク値が線形に増加
  • 黄色「仮装」
    • 毎年秋頃にピークが現れる
    • 「ハロウィン」と同様、2010年秋頃から秋頃のピーク値が比例的にわずかに増加

ということが読み取れます。

以上から大ざっぱに言うと、日本において

  • ハロウィンが本格的に話題になったきっかけの時期は2010年〜11年の秋頃
  • ハロウィンは2010年秋頃から現在まで話題性が高まりつつある

ことが、結論できると思われます。

考察

ここから、私の独断的な持論を話します。あらかじめご了承ください。


私の持論としては、「日本では、地域で伝統的に行われてきた秋祭りが、都会にはここしばらく不足していた」というのがあります。

基本的に、日本人は根っからの「祭り好き」なのです。この「祭り好き」については、前半に挙げたグラフにおいて検索が毎年秋に定期的に、かつ毎年変わらず安定的にピークが来ていることから裏付けられます。

ただし—ここからは想像ですが—都会には秋祭りと呼べるにふさわしい行事が不足していたのではないでしょうか?

もちろん、都会の新興住宅地やタワーマンションには、町内会主催の秋祭りぐらいならあるでしょう。ただ「新興自治体の秋祭り」は「地方の伝統的な秋祭り」とは異なり、「宗教(=神社と神道)に裏付けられた神秘性と権威」が不足しているように思います。

そこに偶然、外来の宗教・風習とはいえ、ハロウィンが入ってきたので、このように盛り上がっているのでは?と考えています。日本人にとって、ハロウィンは「神秘的」であり「権威」がある(と一般には思われている)のでしょう。たとえ「ハロウィン騒ぎ」としてしばらく受容に時間がかかるとしても。

(もう少し丁寧に考察したいですが、タイムアップです。申し訳ございません……)

補足:ハロウィンの発祥について

ちなみに、よく誤解されがちですが、ハロウィン自体の発祥はキリスト教とは独立しています。ケルトの文化で生まれ、後にキリスト教と合体し、アメリカで定着した……というのが時系列として正しいです。

もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事で、11月1日の、カトリックの聖人の日である万聖節(All-hallow)の前の晩に行われる。

(中略)

発祥の地はアイルランドやイギリスという説がある。古代ケルト、古代ローマ、キリスト教の3つの文化が融合して生まれた。原点はケルト人の収穫感謝祭で、それがカトリックに取り入れられたとされている。

(中略)

現在では、本来の宗教的な意味合いはほとんど失われ、欧米、特にアメリカで、民間行事として定着している。カボチャの中身をくりぬいて中にろうそくを立てた「ジャック・オー・ランタン」をつくったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して、近くの家々を訪れ「Trick or treat(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と唱えてお菓子をもらったりする風習などがある。

出典: 知恵蔵2015, ハロウィーン(はろうぃーん)とは - コトバンク

要するに、

  • 直接的には、日本が輸入したのは「アメリカ版のハロウィン」
  • ただし「秋の収穫を祝う」という根本は、ケルト版ハロウィンも日本の伝統的な秋祭りも変わらない

といえるのではないでしょうか。

取り急ぎの結論:「ハロウィンは日本流に勝手にアレンジされてもいいんじゃない?」

いろいろすっ飛ばします。私の結論として「ハロウィンは日本流に勝手にアレンジされてもいいんじゃない?」ということを主張しておきます。齊藤貴義さんが簡潔にまとめたツイートをされたので引用します:

加えて、神道は「八百万の神」といわれるぐらいの多神教であり、外来の文化に対しても「節操ない」といわれるほど柔軟にアレンジしまくった歴史が日本にはあります。ウォークマンだって「元々あったもの」のアレンジでした。

なので、そんなに「オリジナルが云々」とうるさくいわず、ハロウィンは「現代流の秋祭り」として受容されていけばいいんじゃないかと思います。

藤原 惟